日本産ジーンズ発祥の地として知られる倉敷市児島地域。この一帯は江戸時代後期から昭和初期にかけて塩田王国を築いた野崎家の土地で、古い街並みの痕跡が色濃く残っています。2022年6月、児島ジーンズトリートから一本路地を入った場所にパティスリー「ROJAN BОRO：ロージャン ボーロ」がオープンしました。

　シェフパティシエールの堂本佳世子さんが手がけるケーキや焼き菓子は、地域の素材や見た目にこだわって一つ一つ手作りをされています。大正8年に建てられた古民家を改修したお店のリノベーションは、佳世子さんの夫でデザイン事務所を営む堂本裕樹さんが主となり手がけています。以前から堂本裕樹さんには、テオリのプロモーション動画撮影などに関わっていただいており、「ROJAN BORO」の開業にあたり、店舗什器にテオリの竹集成材を取り入れていただいています。
堂本佳世子さんに、出店の経緯とパティシエとしてのこだわりをお聞きしました。

テオリ

ご出店の経緯を教えてください。

堂本佳世子さん

製菓の専門学校を卒業後、何店舗かのカフェやケーキ屋さんに勤めた後に、倉敷美観地区の三宅商店さんやその関連店舗や菓子工房で15年ほど勤めていました。

　当時からいつかは自分でお店を開いてみたいと思っており、子供が小学生になるのを機に独立を具体的に考え始めました。

テオリ

約1年営業されてみて、感触はいかがでしょうか。

堂本さん

昔ながらの町のケーキ屋さんとは少し異なった営業スタイルのため、最初は地域の方々に受け入れていただけるか心配でしたが、思った以上に県内外からも多くのお客様にご来店いただいて大変ありがたく思っています。

テオリ

特に重視されているところは、どんなところでしょうか。

堂本さん

季節ごとに旬な果物を取り入れながら味のバランスが良いこと、できるだけ生産者さんのところに足を運んで安心できる材料を使うこと、見た目も勿論なのですが、ご来店時の接客から始まり「ロージャン ボーロらしいな」と感じて頂けるようなオリジナリティある商品や、主役ではない定番のタルトベースにも当店ならではのアイデンティティを持たせています。

テオリ

美味しそうであると同時に、見た目がとても洗練されていますね。

堂本さん

そうですね。 そこにはこだわっていますね。まずは素材ありきなのですが、それを活かすことから構想を練って、最後に見た目を組み立てていきます。工場での大量生産であったりホールケーキをカットしたもの方が効率やコストの面では良いのですが、他にはない当店ならではの世界感やショーケースでの見え方、食感にもこだわって、日々パティシエチームやスタッフの皆と一緒に手間暇をかけています。

テオリ

おすすめのケーキはありますか？

堂本さん

そうですね、、、、選ぶのが難しいですが、個人的にはオープン当初からライナップしている「宇治抹茶のテリーヌ」は幅広い年齢層のお客様にもリピートを頂き思い入れがあります。また、年間を通して一番人気のデコールショートケーキ（1人前の小さなホールケーキ）や、季節のフルーツを使ったタルトもおすすめです。結局どれもおすすめですね（笑）。

　そしてテオリさんが竹集成材で作って下さった大型天板のセンターテーブルには、数多くの焼き菓子を陳列しており、パウンドケーキやフィナンシェも当店の看板商品です。