創業10年目が見え始めた頃、中山はテオリ初のオリジナル商品を模索していた。木工会社としてのベースは整ってきたが、まだ特殊な設備や技術があるわけではない。 
                   
                     "差別化が図りながら、できれば地域に貢献できることはないか" 
                   
                  思索に更ける中ふと周囲に整備された美しい竹林があることに気付く。 
                   
                  真備町は筍の産地だが、間伐された竹は何にも使われず燃やされるだけでもったいないと感じていた。次々に子孫を増やす竹は、植林の必要もなく環境負荷も低い、この竹を使ったオリジナル家具が開発できれば、、、 
                  そう思い立った中山は、  経営者の繋がりをつてに東京のデザイン事務所に家具デザインを依頼した。竹を伐採しいざ制作に取り掛かってみると様々な苦労が訪れた。 
                   
                  材料として使える部分が少なく、板材を作るだけで相当な工数(こうすう=手間)がかかる。
                  材質が硬く刃物の消耗が早い。糖分が多く虫がつきやすい。何とか手割りで竹を製材したものの、当時竹のみで家具を制作することは困難だった。 
                   
                  1年をかけて開発した初のオリジナル商品「竹装(ちくそう)」は、和をイメージさせる座椅子、座卓、ワゴン、マガジンラック、ベンチなど。 
                     
                     
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